2021年1月1日

NO.101「幸せになりたいなら」 県P新聞 令和3年1月号から

 いつも自分は損な役回りばかり、どうして良い友だちに巡り会えないのだろう、ほかの人はどうしてあんなに豊かそうなのかしら。なんて思うことありませんか。若い頃の私もそうでした。

 書店をのぞくと、「幸運を呼び込む方法」「愛される生き方」「人生に奇跡が…」。読むだけですてきな人生がやってきそうな本の数々。書いてあるように笑顔を絶やさず、いつもポジティブ思考でマイナスな言葉を使わず、身ぎれいにていねいな生活をすればあなたにも幸せが…。確かに! でもね、世の中こんな人ばかりだと少し気持ち悪くないですか。

 苦労や悩みのない人生なんてありえない、それも含めて豊かな人生なのかなって思
いますけど。棚ぼたで幸せがやってきたり、いつも良い思いばかりする人生ってあり得ないです。とはいえ幸せの方向にいつも手を差し伸べていたいですね。

 最近カナダの作家モンゴメリの作品『赤毛のアン』が「アンと言う名の少女」と題してテレビで放映されて、アンは男性にも人気者になったようです。(赤毛というのは差別的な表現らしくて最近は使えないとか)

 孤児のアンがカナダのプリンスエドワード島のグリンゲーブルズに住むマリラとその兄のマシューに引き取られて美しく賢い女性に育っていくというお話ですが、その中に大好きなエピソードがあります。

 大人がみな、町へ出かけて子どもたちだけで留守番という冬の夜…アンのところに友のダイアナが「妹が咽頭(いんとう)炎になった」と助けを求めに来ます…。ダイアナの家に駆け込んだアンが若いお手伝いに言い放ちます。「やかんにはお茶わん1杯の水しかないわ。水をたっぷり入れたからストーブのマキをどんどんくべてちょうだい。気を悪くするかもしれないけど…。あんたに少しの想像力があればこんなことはもっと前に気づくはずよ…」。小さな子どもがゼイゼイとせき込んでいるのだから部屋を暖かく蒸気で満たしておかなければとは思わないのって。「あんたに少しの想像力があればこれくらいのこと気づくはずよ」。…この言葉心にしみませんか。

 アンはこの想像力で自分の力でしっかりと幸せを掴つかんでいきます。「想像力」。わかりやすく言い換えれば「気が利く」ってことです。いろんな場面で自分のすべき役割に気づきその役割をちゃんと果たす。これですよ。幸運をつかむ一番の近道。

 料理教室でいつもお皿を洗い、ゴミを片付けてくださるあなた。最近のデーターで、そういう人が成功を収め幸せになると出ていました。