2025年1月1日

  • 未分類

Vol.125 郷土の料理を作ってみましょう

 北九州の小倉に60年間暮らし、福岡に越して17年(足し算禁止)。子どもの頃は冬になると夕食にフグやカワハギのような白身魚を使った「ちり鍋」が度々、食卓に上りました。味をつけていない昆布だしの中で豆腐や白菜、椎茸、糸こんにゃくや春菊などと煮てポン酢でさっぱりといただきます。
 「ちり鍋」というのは熱いだしの中で新鮮な魚の身がチリッと反り返える様を見て名づけられたのだとか。
福岡に越してから度々食べるのが「鶏の水炊き」。骨付きの鶏肉を水から入れて長時間炊き、スープ、肉、野菜と順にこれもまたポン酢でいただきます。
 福岡にがめ煮や焼き鳥など鶏料理が多いのは、江戸時代福岡藩が養鶏を推奨して、卵を大阪方面に出荷することで財政を立て直そうとしたから。
 今回は子どもさんが好きそうな鶏を使ったすき焼きを作りましよう。牛肉よりも経済的で失敗なく作れます。
【鶏すき】※4人分くらいの材料です。
 ❶まず調味料「割り下」を作りましょう。ボウルに水とみりんを各1カップ、しょう油を2/3カップ(150ml)砂糖を50g入れてよく混ぜます。
 ❷すき焼き鍋か浅めの鍋に割り下を入れます(全部入れず、少量残しておいて後で調節してください) 
 ❸鶏肉500gは一口大に切り、糸こんにゃく1袋は茹でて5センチくらいの長さに、焼き豆腐1丁は8等分の奴(やっこ)に切り、白ネギ1本は2センチ幅の斜め切り、ゴボウ150gはよく洗ってササガキにし、水にさらしておきます。エノキは石づきを取ります。
 ❹割り下の入った鍋に全ての材料をぎっしり美しく並べ、中火にかけてグツグツと煮て、火の通ったものから順に召し上がれ。溶き卵につけていただくとおいしいです。
 お鍋の中の具が減ってきたら割り下を足して、キャベツの葉4枚くらいを5センチ角に切ったものと春菊をさっと煮ます。最後にうどんを2玉入れて締めにします。割り下の量と火加減に気をつければ、まず失敗することはありません。
 「豆腐を奴(やっこ)に切る」「ゴボウのササガキ」などわからない言葉があれば調べてくださいね。
 同じ春菊でも北九州のものは葉先が丸く、香りの柔らかな「大葉春菊」または「ローマ」といわれる種類です。福岡の春菊は葉先にギザギザの刻みが入り香りが豊かな「中葉春菊」をよく見かけます。新幹線で20分もかからない距離ですが、やはりその地域独特の食材はあるのです。
冬休みの自由研究の課題として、住んでいる地域に特有の料理や食材を調べてみてはいかがでしょう。