2021年9月1日

NO.105「枝豆は胸が焼ける?」 県P新聞 令和元年9月号から

  わが家は茹(ゆ)でたての枝豆を熱々でいただくのが胃にもたれず好みです。枝豆は大豆の未熟なものですが、やはり豆なので多少不消化です。小さなお子さんやお年寄りがいる家庭では少し柔らかめに茹でましょう。

 大豆は縄文時代から弥生時代にかけて稲とともに渡来した五穀の一つだと言われています。文献によると枝豆として食べられ始めたのは平安時代から鎌倉時代にかけてとか。未熟なうちに食べるなんて当時はとてもぜいたくなことだったと思います。

 熟した大豆は畑の肉と言われるようにたんぱく質が豊富ですが、ほかにも、食物繊維、ビタミンB1やB2、葉酸、鉄、カリウムなどの栄養素が含まれています。未熟な枝豆は大豆の3分の1程度の栄養価だと覚えておくと良いのですが、大豆にないビタミンCとカロチンを含みます。

 鮮度が落ちやすいので最近まではほぼ枝付きで売られていたので「枝豆」田んぼのあぜ道で栽培されるので「あぜ豆」とも呼ばれていました。

 最近では冷凍技術がすばらしく栄養価の損失も少なく年中いただけて便利ですが、白に鮮やかなグリーンの豆の対比が美しい枝豆御飯は暑い時期の料理です。2合のお米に茹でて鞘(さや)から出した枝豆を1カップ用意します。いつもより少し多めの水加減にして塩を小さじ1弱混ぜて普通にスイッチを入れます。新ショウガを小さく線に切って加えるのも大人の味です。

 今回ちょっと話が外れますが。枝豆を食べるたびに思い出すことがあります。20年も昔の話でしつこい性格がバレそうですが。テレビで枝豆の皮を食べようというテーマをやるので考えてくださいとディレクター。今のようにインターネットで簡単に調べられる時代ではないので書棚の植物関連の本を全て引っ張り出しましたが参考になる記載は一切ありません。放送は明日に迫っています。次に食の随筆をあれこれと…空が白み始める頃やっと見つけました。「枝豆の皮は二重構造になっているので、内側のプラスチック状の皮を取り除き外側の皮をもむように洗ってから薄味で煮付けます」と。やったー。執念で見つけました。あまりにうれしくて放送当日テレビ局の化粧室でそのことをしゃべりました。さて本番です。なんと若いレポーターさんが化粧室での話をそのまましたのです。私は頭の中が真っ白に…。枝豆を食べすぎると胸が焼けるのはこのせいかもしれません。